社会福祉法人 信和会

広報「なかよし」
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2018年06月号 小岩井農場

180611_koiwai.png 岩手県盛岡市から北西約12kmに位置し、岩手山南麓に約3,000ヘクタール(5.47キロ四方)の敷地面積を有する。その敷地の3分の2は雫石町、残り3分の1が滝沢市に属する。その内の約40ヘクタールが観光エリア“まきば園”として開放されており、岩手県の代表的観光地として知られている。<小岩井からの岩手山>

 羊は約300頭程、放牧されており、隣接するカフェでのんびり羊の放牧を観ながら癒しの空間に浸れる。

 また乗馬エリアでは“育馬事業”の名残だとされる当時の有名サラブレッドの紹介パネルがある他、数頭のサラブレッド、ミニチュアホース、引き馬などが飼われており、乗馬体験が行える。

 毎年2月上旬には、この通称、“まきば園”を会場として「いわて雪まつり」が開催される。場内では観光向けにトロ馬車馬車鉄道が運行されている。かつて、この馬車鉄道は1904年(明治37年)から1958年(昭和33年)までの間小岩井駅から農場内の各事業所を結び、まきば園近くの「上丸牛舎」まで運行されていた。

 このほか、まきば園内には冬季を除いて宿泊可能なSLホテルもあったが2008年(平成20年)11月3日で休館となった。

 日本では最も長く営業を行ったSLホテルである。近年では、観光エリアでは無い、生産エリア(酪農、山林など)を実際に“農場で働くガイド”と共に巡る“観光”を行っている。

 トラクターバスのツアーでは主に山林エリアを中心に景観、雄大な牧草地、希少動植物を観察しながら案内、また歩いて散策、トレッキングを行う農場自然散策は四季を通じて開催している。通常のバスツアーでは、主に酪農・製造エリアを中心に、天然冷蔵庫、日本最古とされる煉瓦サイロ、国の重要文化財の建築物の数々、バイオマス事業風景、また国内外を探しても珍しい“法正林”の事業を見学できるツアーは新たなビジネスモデルとして人気を博している。

<法正林とは、毎年の成長量に見合う分の立木を伐採、植林することで、持続な森林経営が実現させる森林のことである。人工林において、この理論が実践されれば、永続的な森林が形成されることとなるが、自然災害や経済を取りまく変化など外因に左右されやすく、100年といった単位で継続された事例は乏しい。>

 同場の乳牛(ホルスタイン)飼育数は約2,000頭強であり、生産される生乳はすべて小岩井農場内にある小岩井乳業工場にて牛乳等に商品化されている。また、その中に黒毛和種飼育数は約900頭余おり、小岩井農場産和牛としての評価も高く、東京都内の自社レストラン(小岩井フレミナール、オリエントカフェなど)で食べることが出来る。

 乳業事業を行っている小岩井乳業株式会社は1976年(昭和51年)に分離・独立しキリングループの一員となっているが、現在も小岩井農牧と小岩井乳業の連携の下で乳製品の生産活動が行われている。

 なお、前述のまきば園近くにある同社の小岩井工場は冬期間以外は無料で見学することができ、小岩井製品が購入できる売店も併設されている。他に同社は埼玉県狭山の東京工場、栃木県那須の那須工場を所有している。

 種鶏事業、たまご事業の部門も存在し、特にたまごは乳製品と絡めた製品開発、“小岩井農場産たまご”は首都圏や主要契約のあるデパートで購入することができる。

【歴史】
1890年(明治23年)11月1日に日本鉄道が東北本線を盛岡駅まで延伸開業した翌年の1891年(明治24年)、日本鉄道会社副社長の小野義眞、三菱社社長の岩崎彌之助、鉄道庁長官の井上勝の三名が共同創始者となり3名の姓の頭文字を採り「小岩井」農場と名付けられた。
 当時のこの地域一帯は、岩手山からの火山灰が堆積し冷たい吹き降ろしの西風が吹く不毛の原野で、極度に痩せた酸性土壌であったという。そのために、土壌改良や防風・防雪林の植林などの基盤整備に数十年を要した。
 2017年(平成29年)、小岩井農場施設の建造物21棟は重要文化財に指定された。